有期労働契約の期間への配慮(第17条第2項) of 労働契約法のポイント

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有期労働契約の期間への配慮(第17条第2項)

第四章 期間の定めのある労働契約
第十七条 (略)
2 使用者は、期間の定めのある労働契約について、その労働契約により労働者を使用する目的に照らして、必要以上に短い期間を定めることにより、その労働契約を反復して更新することのないよう配慮しなければならない。

趣旨

 有期労働契約の契約の期間に関する法律上の定めは、労働基準法第14条に原則3年まで(一定の高度の専門的な業務につく労働者や60歳以上の労働者については5年まで)の上限が定められていますが、それ以外の定めはありません。

 したがって、労働基準法第14条に違反しない形であれば、労働者と使用者の間の合意により、自由に契約期間を定めることができます。

 しかし、実際には、使用者は雇用の調整弁として有期契約労働者を使用していることから、できるだけ短期間の契約期間を設定し、これを繰り返し更新する手法をとってきました。そのため、この短期間の契約が何度も繰り返し更新された後に、雇止めされるというトラブルが発生しています。

 このトラブルを未然に防止するには、短期間の有期労働契約を繰り返し更新するのではなく、雇入れの当初から、その有期契約労働者を使用しようとする期間を契約期間とするなど、できるだけ適切な契約期間を設定することによって、トラブルの原因である契約更新の回数を減らすことが重要です。

 このため、労働契約法第17条第2項においては、その有期労働契約により労働者を使用する目的に応じて、適切に契約期間を設定するように、使用者は配慮しなければならないことが規定されています。

「必要以上に短い期間」とは

 労働契約法第17条第2項では、「必要以上に短い期間」について、実際に、○か月とか○年とは定めていません。それは、法令上で期間を定めることは適切ではなく、使用者が有期労働契約によって労働者を使用する目的によって、その期間を定めることが合理的だからです。

 使用者が有期労働契約によって労働者を使用する目的は、臨時的・一時的な業務の増加に対応するものや一定期間を要する事業の完成のためのものなど、さまざまです。

 そこで、労働契約法第17条第2項は、この目的に照らして、必要以上に短い契約期間を設定し、その契約を反復して更新しないように使用者は配慮しなければならないことを明らかにしています。

 例えば、ある労働者を使用者が一定の期間にわたり使用する場合には、その一定の期間を分割するなどして、より短期の有期労働契約を反復更新するのではなく、その一定の期間そのままを契約期間とする有期労働契約を締結するように配慮しなければならない趣旨です。

 また、「その労働契約により労働者を使用する目的に照らして、必要以上に短い期間」にあたるかどうかは、個別具体的な事案に応じて判断されるものであって、同項は、契約の期間を特定の長さ以上の期間とすることまでを求めているものではありません。

有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準との関係

 有期労働契約については、労働基準法第14条第2項に基づいて、「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」が定められています。

 この基準の第4条には、使用者は、契約を1回以上更新し、かつ、雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務している労働者との有期契約をを更新しようとする場合は、契約の実態及びその労働者の希望に応じて、契約期間をできる限り長くするよう努めなければならないことが規定されています。

 この「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」は、労働基準法第14条第2項に基づく基準のため、労働基準監督署の行政指導の対象となりますが、労働契約法の第17条第2項は法違反に対する行政指導等はありません。ただし、実際にトラブルになった場合には、使用者の配慮について、考慮されることになります。

有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準
(契約期間についての配慮)
第三条 使用者は、有期労働契約(当該契約を一回以上更新し、かつ、雇入れの日から起算して一年を超えて継続勤務している者に係るものに限る。)を更新しようとする場合においては、当該契約の実態及び当該労働者の希望に応じて、契約期間をできる限り長くするよう努めなければならない。

 なお、「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」の詳細は、LinkIcon有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準(労働基準法のポイント)をご覧ください

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