労働契約の内容の理解の促進(第4条第1項) of 労働契約法のポイント

労働契約法をもっと理解するためのサイト「労働契約法のポイント」

HOME > 労働契約の内容の理解の促進(第4条第1項)

労働契約の内容の理解の促進(第4条第1項)

(労働契約の内容の理解の促進)
第四条 使用者は、労働者に提示する労働条件及び労働契約の内容について、労働者の理解を深めるようにするものとする。
2 労働者及び使用者は、労働契約の内容(期間の定めのある労働契約に関する事項を含む。)について、できる限り書面により確認するものとする。

趣旨

 労働契約は、労働契約の締結当事者である労働者と使用者の合意のみによって成立する「諾成契約」です。しかし、実際には、契約内容について労働者が十分に理解しないまま、労働契約を締結したり、変更したりすることが多く見られます。

 そして、後になって、その契約内容について労働者と使用者との間において認識の違いが浮き彫りになり、これが原因となって労使トラブルに発展している場合も多いようです。

 労働契約の内容である労働条件については、労働基準法第15条第1項により労働契約を締結するときに書面等により明示が義務付けられています。

 しかし、労使トラブルを防止するためには、これだけでは十分ではありません。同項により義務付けられている場面以外でも、労働契約の締結当事者である労働者と使用者が、契約内容についてよく理解し、契約内容があいまいなまま労働契約関係が継続することのないようにすることが重要です。このため、法第4条においては、このような労働契約の内容の理解の促進について規定しています。

労働基準法
(労働条件の明示)
第十五条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。

労働者の理解の促進(第1項)

第四条 使用者は、労働者に提示する労働条件及び労働契約の内容について、労働者の理解を深めるようにするものとする。

 労働契約を締結する際には、使用者が労働者に対して、労働条件を提示するのが一般的です。その場合、契約内容について労働者が十分に理解しないまま、内容をあいまいにしたままでは、後で労使トラブルになりかねません。このことから、使用者は労働者に提示する労働条件や労働契約の内容について労働者の理解を深めるようにすることが規定されています。

どのような場合に労働者の理解を深めるか

 では、どのような場合に「労働者の理解を深めるようにする」ことが必要かといえば、次のような場合が考えられます。

  • 採用面接時などの労働契約の締結前に、使用者が提示した労働条件について説明等をする場合
  • 入社時など労働契約を締結する際に、使用者が労働条件について説明等をする場合
  • 労働条件を変更する際に、使用者が新しい労働条件について説明等をする場合
  • 労働契約が締結され、又は変更されて継続している間などの場合

 前述の労働基準法第15条第1項により、労働条件の明示が義務付けられているのは、労働契約の締結時だけですが、労働契約法第4条の「労働者の理解を深めるようにする」場合は、上記のように、より広い範囲を想定しています。

「労働者に提示する労働条件」「労働契約の内容」とは

 ここで、「労働者に提示する労働条件」とは、労働契約の締結前や変更前に、使用者が労働契約を締結しようとする、又は変更しようとする者に提示する労働条件をいいます。
 また、「労働契約の内容」とは、有効に締結された、又は変更された労働契約の内容をいいます。

「労働者の理解を深めるようにする」とは

 労働契約法第4条第1項は、「労働者の理解を深めるようにする」という使用者の義務を定めた規定ですが、具体的に何をすればよいのかを定めていません。

 ただ、実際には、その場面によって、使用者の対応すべきことは違うでしょうから、臨機応変に対応していくことでよいのではないでしょうか。例えば、次のような対応が考えられます。

  • 入社時など労働契約を締結するときに、労働契約の内容や就業規則の内容を説明することや労働者からの質問等に誠実に回答すること。
  • 配置転換時、出向時、転籍時など就業環境や労働条件が大きく変わる場合に新しい就業環境や労働条件について説明することや労働者からの質問等に誠実に回答すること
  • 労働条件等の変更が行われなくても、労働者が就業規則に記載されている労働条件について説明を求めた場合に、その内容を説明すること

ふくなが社労士事務所では、毎月1回、顧問契約を頂いているお客様にのみ、中小企業事業主向けに役立つ人事・労務情報を私自身がお客様に有用な情報と思われるネタを厳選し、毎月頭をひねりながら内容を考えたものをニュースレターとして郵送しております。

あるとき、せっかく苦労をして作っているニュースレターの情報を少しでも多くの経営者等にお届けしたいと考え、このブログを見ていただいた方に特別に、メールサーバーの関係上配信数限定でこのニュースレターのメルマガ版を送信することといたしました。

このニュースレターのメルマガ版のご登録は、こちらから。
LinkIcon「ふくなが社労士事務所便り(無料メルマガ版)」のご登録

bana3.jpgbana3.jpg