法令及び労働協約と就業規則との関係(第13条) of 労働契約法のポイント

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法令及び労働協約と就業規則との関係(第13条)

(法令及び労働協約と就業規則との関係)
第十三条 就業規則が法令又は労働協約に反する場合には、当該反する部分については、第七条、第十条及び前条の規定は、当該法令又は労働協約の適用を受ける労働者との間の労働契約については、適用しない。

趣旨

 就業規則は、法令に反してはなりません。また、労働組合と使用者との合意によって締結された労働協約は、使用者が作成する就業規則よりも優位に立ちます。これらのことは、法理上当然のことですので、就業規則は、法令又は労働協約に反してはならないとされています。

 一方、労働契約法第7条(使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合は、労働契約の内容は就業規則で定める労働条件によります。LinkIcon労働契約成立時の就業規則と労働契約の関係参照。)、第10条(就業規則の変更により労働条件を変更する場合、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が合理的なものであるときは労働契約の内容は変更後の就業規則で定めるところによります。LinkIcon就業規則による労働契約の内容の変更参照。)、第12条(就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約はその部分について就業規則で定めた基準によります。LinkIcon就業規則違反の労働契約を参照。)においては、一定の場合に就業規則で定める労働条件が労働契約の内容となることを規定しています。しかし、就業規則が法令又は労働協約に反している場合でも、その就業規則で定める労働条件が労働契約の内容になることは適当ではありません。

 このため、労働契約法第13条においては、法令又は労働協約に反する就業規則の効力について規定しています。

内容

 労働契約法第13条は、就業規則で定める労働条件が、法令又は労働協約に反している場合には、その労働条件は労働契約の内容とはならないことを規定しています。

 なお、労働契約法第13条は、労働基準法第92条第1項と同じ趣旨の規定ですので、就業規則と法令又は労働協約との関係を変更するものではありません。

労働基準法
(法令及び労働協約との関係)
第九十二条 就業規則は、法令又は当該事業場について適用される労働協約に反してはならない。

 ここで、労働契約法第13条の「法令」とは、強行法規としての性質を有する法律、政令、省令をいいます。なお、罰則を伴う法令であるかどうかは問われませんし、労働基準法以外の法令も含まれます。

 「労働協約」とは、労働組合法(昭和24年法律第174号)第14条にいう「労働組合と使用者又はその団体との間の労働条件その他に関する」合意のことで、「書面に作成し、両当事者が署名し、又は記名押印したもの」をいいます。

労働組合法
(労働協約の効力の発生)
第十四条  労働組合と使用者又はその団体との間の労働条件その他に関する労働協約は、書面に作成し、両当事者が署名し、又は記名押印することによつてその効力を生ずる。

 「労働協約に反する場合」とは、就業規則の内容が労働協約において定められた労働条件など労働者の待遇に関する基準となる部分(規範的部分)に反する場合をいいます。

 「労働協約の適用を受ける労働者との間の労働契約については」とは、事業場の一部の労働者のみが労働組合に加入していて、労働協約の適用が事業場の一部の労働者に限られている場合には、労働協約の適用を受ける労働者(労働組合法第17条及び第18条により労働協約が組合員以外の労働者に拡張適用される場合を含みます。)に関してのみ、労働契約法第13条が適用されます。

労働組合法
(一般的拘束力)
第十七条  一の工場事業場に常時使用される同種の労働者の四分の三以上の数の労働者が一の労働協約の適用を受けるに至つたときは、当該工場事業場に使用される他の同種の労働者に関しても、当該労働協約が適用されるものとする。
(地域的の一般的拘束力)
第十八条  一の地域において従業する同種の労働者の大部分が一の労働協約の適用を受けるに至つたときは、当該労働協約の当事者の双方又は一方の申立てに基づき、労働委員会の決議により、厚生労働大臣又は都道府県知事は、当該地域において従業する他の同種の労働者及びその使用者も当該労働協約(第二項の規定により修正があつたものを含む。)の適用を受けるべきことの決定をすることができる。
2  労働委員会は、前項の決議をする場合において、当該労働協約に不適当な部分があると認めたときは、これを修正することができる。
3  第一項の決定は、公告によつてする。

法令、労働協約、就業規則、労働契約の関係

労働契約と法令

 労働基準法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効となります。この場合において、無効となった部分は、労働基準法で定める基準によります。(労働基準法第13条)

労働契約と就業規則

 就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については、無効となります。この場合において、無効となった部分は、就業規則で定める基準によります。(労働契約法第12条)

労働契約と労働協約

 労働協約に定める労働条件その他の労働者の待遇に関する基準に違反する労働契約の部分は、無効となります。この場合に無効となった部分は、その基準の定めるところによります。労働契約に定がない部分についても、同様です。(労働組合法第16条)

就業規則と法令、労働協約

 就業規則は、法令又は当該事業場について適用される労働協約に反してはなりません。(労働基準法第92条)

 就業規則が法令又は労働協約に反する場合には、当該反する部分については、第7条、第10条及び前条の規定は、当該法令又は労働協約の適用を受ける労働者との間の労働契約については、適用されません。(労働契約法第13条)

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